フラストレーション(挫折)は、速い天体が遅い天体へアスペクト(角度の関係)を結ぼうと近づくものの、完成する前に、遅い天体のほうが先に別の天体とアスペクトを完成させてしまい、速い天体が置き去りになる配置をいいます。会いに向かっている途中で、待っていたはずの相手が先に別の相手とつながってしまう。そんなイメージで読まれます。古典のホラリー占星術で、期待された成就が横道にそれて挫かれるさまをあらわす技法とされます。
このしくみの鍵は、天体の動く速さの違いにあります。速い天体が、結ぼうとしていた相手(ゆっくりした天体)に近づいていく途中で、遅い天体のほうが先に別の天体とアスペクトを完成させてしまう。これがフラストレーションです。速い天体は置き去りになり、本来めざしていた結合は宙に浮きます。遅い天体がどの天体と結んだのかから、頓挫の理由を読み解くのが古典の作法とされます。たとえば相手が金星と結んだなら楽しみや人間関係が、土星と結んだなら遅れや障害が成就をそらした、というふうに、相手と結んだ天体の象徴で物語を組み立てていきます。
ホラリーでは、質問をした人と問いの対象に、それぞれ表示星を割り当てます。質問者は第一ハウスの支配星と月、問いの対象は内容に対応するハウスの支配星が受け持ちます。成立の見方は、この二つの表示星が
アプライング(接近)のアスペクトを結ぶかどうかで、角度が完成すれば成就(
パーフェクション)、完成しなければ事は流れる、と読まれます。
たとえば質問者を示す月が、問いの対象を示す天体へ近づいていく場面を考えます。その途中で、相手の天体のほうが先に別の天体とアスペクトを完成させてしまえば、月は置き去りになります。それがフラストレーションです。図のなかで、近づいていく速い天体が届く前に、待っている遅い天体が別の天体と先に角度を完成させないかを確かめるのが最初の作業になります。
確かめるときは、待っている天体の度数と、その近くにいるほかの天体の度数を並べ、月が届くまでのあいだに相手が誰かと先に角度を完成させないかを見ると整理しやすくなります。ただし、直接は結ばなくても、
光の伝達や
光の収集によって間接的に整う形もあるため、結論を急がず、図全体を見て判断します。
フラストレーションは、阻止(プロヒビション)や離反(リフラネーション)と並ぶ「アスペクトが成就しない」パターンのひとつとして位置づけられます。三つはよく似ていますが、阻止は外から来た第三の天体の横やり、離反は接近していた天体の心変わり(留を経て引き返す)、フラストレーションは待っていた相手のよそ見(遅い天体が自分から先に別の天体と結ぶ)、と区別して覚えるとわかりやすいでしょう。ホラリーでは、問いの成り行きが途中でくじかれるサインとして慎重に読まれます。もっとも、これは象徴的な技法であり、結果を断定するものではありません。遅い天体と結んだ天体の性質まで含めて、図全体の流れとあわせて丁寧に意味を組み立てます。
この技法は、質問が生まれた瞬間の図を使うホラリーの考え方で、出生図にそのまま当てはめるものではありません。ホラリーの全体像は
ホラリー占星術の技法ページにまとめています。用語「アスペクト」「阻止」「離反」もあわせてどうぞ。