エリスとは
エリスは、2005年に存在が確認された準惑星です。直径は冥王星とほぼ同じで、質量はわずかに上回ります。この「冥王星に匹敵する天体」が見つかったことが、惑星の定義そのものを見直す引き金となり、2006年に冥王星が惑星から準惑星へ分類変更される直接のきっかけになりました。名前は、ギリシア神話の不和・争いの女神エリスにちなみます。太陽系のもっとも外側、海王星よりさらに遠い領域(太陽系外縁天体)をめぐっており、公転周期は約557年ときわめて長いのが特徴です。そのため、ひとつの星座に十数年から数十年というスパンでとどまり、同じ時期に生まれた世代に共通するテーマを映す天体として読まれます。
発見と名前の由来
エリスは、マイケル・ブラウンらの研究チームが、アメリカのパロマー天文台の観測データから見つけ出しました。発見当初は正式名称が決まるまで、テレビドラマの登場人物にちなんだ「ゼナ」という愛称で呼ばれ、世界の注目を集めました。冥王星と並ぶ大きさの天体が外縁に見つかったことで、「では冥王星は惑星なのか」という議論が一気に高まり、国際天文学連合(IAU)は2006年に「惑星」と「準惑星」の定義を新たに定めることになります。名の由来となった女神エリスは、神話のなかで、自分だけ宴に招かれなかったことに腹を立て、「最も美しい女神へ」と記した黄金のりんごを投げ入れました。それが三人の女神の争い、ひいてはトロイア戦争へとつながったと伝えられます。エリスには「ディスノミア(無法をつかさどる女神で、エリスの娘)」と名づけられた衛星も見つかっています。
占星術での読まれ方
公転がきわめて遅いぶん、エリスは個人の細かな性格よりも、世代や時代の空気を映す天体として扱われます。発見からまだ日が浅く、解釈は定まりきっていませんが、一部の占星術家は、その神話にちなんで「排除されたものの怒り」「見過ごされてきたものが表面化し、調和や公平さのあり方が問い直されるテーマ」と結びつけて読みます。同じく発見の新しい冥王星以遠の天体と同様、意味づけが発展途上の天体だけに、ひとつの配置だけで決めつけず、チャート全体のなかで慎重にとらえるのが基本です。エリスやそのほかの準惑星が自分のチャートでどこにあるかは、「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。