カンパヌス(ハウスシステム)とは
カンパヌスは、ホロスコープを12の部屋(ハウス)に区切るための方式のひとつです。13世紀イタリアの数学者カンパヌス・オブ・ノヴァラ(およそ1220年〜1296年)に帰されますが、よく似た発想は実際には彼より前から使われていたとされ、彼の名はあくまで代表として残ったかたちです。観測者の真上(天頂)と真下を通る大きな円「プライムバーティカル」を12等分し、それを黄道(太陽の通り道)へ投影してハウスの境目を決める「空間分割」系として知られています。多くの方式が天の赤道や時間を基準にするのに対し、カンパヌスは観測者を取り巻く空間そのものを物理的に等分する点に特徴があります。そのため「もっとも空間的に素直な分け方」と紹介されることもあります。
空間をまっすぐ12に割る
カンパヌスのしくみは、観測者の立つ場所を中心に、頭上から足元へとめぐる空間そのものを等分する、という幾何学的に明快な発想にもとづきます。プライムバーティカルという大円をきっちり12等分し、その区切りを黄道に映してハウスの境界とします。時間ではなく空間を割るため、立体的・幾何学的な手ざわりがあります。基準にするのが空間の大円なので、地球の自転速度や太陽の動きそのものではなく、観測地点の上空に広がる立体的な区画がそのまま12分割されるイメージです。ただし、緯度が高い土地ほど、黄道との交わり方が偏るため、ハウスごとの大きさの差が目立ちやすくなるとされます。極端な高緯度では一部のハウスが極端に広がったり狭まったりすることもあります。中世にはこのカンパヌスを土台として、よく似た発想のレギオモンタヌス方式が組み立てられていきました。
レギオモンタヌスと対にして
カンパヌスは、いまでは主流とは言いがたいものの、ハウスシステムの歴史を語るうえで欠かせない一方式とされます。同じ空間分割系のレギオモンタヌスと対にして覚えると、両者の発想の違いがよく見えてきます。カンパヌスがプライムバーティカルを等分するのに対し、レギオモンタヌスは天の赤道を等分する点が大きな違いです。どちらも空間を割る仲間ですが、何を等分の基準にするかが異なる、というわけです。20世紀にはデーン・ルディヤールがこの方式を評価したことでも知られ、心理占星術の文脈で言及されることもあります。どの方式を使うかでハウスの境目はずれるため、占星術ではまず一つの方式を選んで読み解いていきます。境界が変わると、惑星がどのハウスに入るかも変わり得る点には注意が必要です。用語「プライムバーティカル」「ハウスシステム」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。