この時期に高まるエネルギー
前へ進みたい気持ちと進まない現実が引っ張り合い、力の使い方を考え直したくなる空気を映すのが、火星の逆行留です。
火星の逆行は、約2年2か月ごとにめぐってきます。1回の長さは約2〜2か月半(60〜81日)と長く、水星や金星の逆行に比べると、じわじわと続く印象があります。順行から逆行へ向きを変える留の日は、空の出来事なので誰にとっても同じ日です。前後の数日が、とくに強く感じられると読まれます。
行動・怒り・競争・体の熱を担う火星は、逆行へ向かう留で、外へ押し出す力がいったん行き場を失い、どこへ力を注ぐのかを問い直す形になります。逆行のあいだは、思うように走れない代わりに、走り方を見直す余地を与えてくれる、と読まれます。力が足りないのではなく、出口が一時的に細くなっている状態です。
逆行の前後には、通る範囲を先に通る期間と、あとで通り直す期間があり、シャドウ期間と呼ばれますが、現代の呼び方です。
起こりやすい出来事・テーマ
予定していた計画が思うように進まず、遅れたり、やり方を変えたりする場面が増えやすいとされます。勢いで始めたことが途中で止まり、もう一度条件を整え直すことになる人もいます。
感情の面では、以前の言い争いや、片づいたと思っていた不満が、ふと蒸し返されることがあります。怒りの出し方が外へ向かいにくく、内側にこもって疲れとして表れる人もいるでしょう。競い合う場面でも、勝ち負けより自分のペースを保てているかが気になります。
体の面では、熱量の出し入れが難しくなり、だるさや動きの鈍さを感じたり、反対に力が余って雑な動きになったりします。運動や作業の調子が日によって違うと感じる人もいます。
家族や職場の人間関係では、遠慮して飲み込んでいた不満が、じわじわと溜まってくることがあります。表面は穏やかでも、内側に熱がこもる感覚が続く人もいるでしょう。
急ぎの作業では、気持ちの焦りから手つきが雑になりやすいと言われます。動作を一呼吸ゆっくりにするだけで、落ち着いて進められます。
そして長い逆行のあいだは、気持ちが先に疲れやすい時期でもあります。進まない感覚が長引くと、意欲そのものが落ちたように思えますが、力が消えたのではなく、向きを探している状態と読まれます。
言い争いや競争の蒸し返しだけでなく、過去に諦めた目標や、中断した挑戦をもう一度考え直す人もいます。いまなら違うやり方があるのでは、という見直しとして現れます。
このエネルギーの活かし方
力を出す先を絞り、無理な突進を避けておくと、あとで息切れしにくくなります。
逆行は2か月前後と長めなので、短期決戦のつもりで走ると、途中で息切れしやすくなります。大きな目標は小さな段階に分け、いまできる範囲を淡々と進めると、消耗を抑えられます。
運動や体を動かす習慣は、新しく始めるより、これまでの習慣を無理のないペースで続けるほうが合っています。睡眠や食事、休養をいつもより少し厚めに取ることも、火星にとっては立派な準備です。
怒りを覚えたときは、その場で言い返さず、何に腹が立ったのかを書き出して整理すると、あとで向きを定めやすくなります。試合や商談のように相手のある場面では、力押しに頼らず、情報を集めて準備を整える方向へ力を使うと、焦りを抑えやすくなります。
休む日を先に予定表へ入れておくと、長い逆行でも、気力が尽きにくくなります。体の熱を使い切らない工夫が、そのまま持久力になります。
勝負どころや新しい挑戦は、準備の時間を厚くします。途中で気持ちが切れそうになったら、始めた理由を思い出してみてください。長い足踏みは、何のために力を使うのかを選び直すための時間と読まれます。