ターム(バウンド)とは
ターム(バウンド)は、ひとつのサイン(30度)を、さらに5つの不揃いな区分に分け、それぞれを水星・金星・火星・木星・土星の5天体(太陽と月をのぞく)が受け持つという、古典占星術の考え方です。エッセンシャル・ディグニティ(天体がどれだけ力を発揮しやすいかを測る品位)のひとつで、サインだけでなく「何度にあるか」という度数まで見て、天体の働きを細かく読み取ります。サインより一段こまかい、度数レベルの品位といえます。英語ではターム(term)またはバウンド(bound)と呼ばれ、どちらも「区切り・境界」を意味する言葉です。一般に、サイン全体を支配するサイン主や、特定の度数で高揚するエグザルテーションが「大きな品位」とされるのに対し、タームはトリプリシティやフェイス(顔)とともに「小さな品位」のグループに数えられてきました。
5天体が分け持つ不揃いな区分
タームの特徴は、ひとつのサインを5つに区切るとき、その幅が均等ではない点にあります。たとえば最初の数度を木星が、次の幅を金星が……というように、5つの天体が不揃いな度数を分け持ちます。一つのタームの幅はおおむね2度から8度ほどで、サインごとに担当する天体の順番も幅も変わります。天体が、自分の受け持つタームの度数にあると、その天体は品位を得て、いくらか働きやすくなるとされます。区切り方には、エジプト式(エジプシャン・タームズ)やプトレマイオス式(トレミーのターム)など、いくつかの流派があり、どの天体がどの度数を担うかが流派ごとに少しずつ異なります。古代の占星術師プトレマイオスは著書『テトラビブロス』のなかで独自のターム表を伝えており、後世にはこのプトレマイオス式と、より古いエジプト式が併用されてきました。どちらの方式でも、太陽と月の二大光体はタームの担当からはずれ、5つの惑星だけが度数を分け合う点は共通しています。古典占星術ならではの、きめ細かな読み方といえます。
度数レベルの品位として読む
タームは、サイン(住まい)や昇格(高揚)といった大きな品位とくらべると、力の弱い、控えめな品位として位置づけられてきました。古典占星術では、5つの品位(サイン主・高揚・トリプリシティ・ターム・フェイス)に点数を割り当ててその天体の強さを総合的にはかる「アルムーテン」や「ディグニティ・ポイント」という見方があり、そのなかでタームは中ほどの重みをもつ要素として数えられます。それでも、天体がどのタームにあるかを見ることで、サインだけでは見えない、度数レベルの細かなニュアンスを読み取る手がかりになるとされます。ホラリー占星術や古典的なネイタル解釈では、たとえば天体がたまたま自分のタームに入っていると、弱い配置のなかにもわずかな支えが見いだせる、といった具合に補助的に用いられてきました。これはあくまで象徴的な読みで、出来事を断定するものではなく、現代占星術では使わない人も少なくありません。品位の全体像はコラム「ディグニティ(品位)とは」へ。用語「ディグニティ(品位)」「ホロスコープ作成」もあわせてどうぞ。自分のチャートは「無料のホロスコープ作成」から確かめられます。